たまにはニュース英語だけでなく、映画やドラマ、音楽で英語を勉強しよう

 前回は、コロナ禍の真っ只中で自粛生活という窮屈な日常を送る上で、私なりの英語学習のモチベーションの保ち方を綴りました。それは面白くなってきたアメリカ政治のニュースを追いかけるというものでした。
 今回もアメリカ政治を追いながらどうやって英語学習に奮闘したかを述べるつもりでしたが、ちょっと趣向を変えて、映画やドラマ、音楽などのエンターテイメントで英語を勉強する際の私なりの工夫を記させていただきます。
 例えば、音楽で英語を勉強する際、YouTubeで見つけた好きな音楽のプロモーション・ビデオ(PV)を何回も見ます。私個人として好きな歌手は、Madona、Maroon5Coldplay、Clean Banditなどです。これらアーティストのアルバムをレンタルして、iPhoneにデータを入れるか、ネットで
アルバムを購入してダウンロードするかどちらかの手段でiPhoneに保存しておきながら、料理をしている時などに何度も同じ曲を聞いてサビの部分を不正確ながらも口ずさめるようになったら、ネットで歌詞(lyrics=よくリリックという人がいますが、この単語は必ず複数形で使いますのでネイティブと話すときはご注意を)を確認します。
 すると、「あ!こんな表現を使っていたんだ。この表現はこんな風に発音するんだな」などと発見することが頻繁にあります。
 歌詞を見ながら音楽を聴き、シャドーイングするといい発音練習になって、実際にネイティブと話をするときにとても役立ちます。その際、聞こえる通り発音することがコツだと思います。言葉というものは音が最初であって、文字はそれを便宜的に記録するためのただの「記号」に過ぎないからです。
 また、
何回聴いても発音できない単語やフレーズが必ず一つや二つあるものです。その時は、あまり気にせず、翌日また聴いてみましょう。すると昨日発音できなかった部分が今日は発音できるぞ!と驚くことをしばしば経験するものです。舌が回り、いかにもネイティブみたいな発音ができるようになります。いわゆる「体で覚えてしまった状態」だと私は考えています。
 この「体で覚えてしまった状態」については、スポーツ系の部活動や趣味を経験してきた人ほど、ご理解いただけるのではないでしょうか。例えば、野球をやっていた人、特にピッチャー経験者は何回も何回もキャッチャーを相手に投げ込みをします。昨日まで外角低めにストレートをうまく投げられなかったのが、今日はビシリと決まる。あるいは、カーブがストライクゾーンに入るようになったという経験をするものです。テニス経験者であれば、昨日まで決められなかったライン際のサーブが今日はバッチリと打ち込める。
 私の例を挙げさせていただくと、私はボディボードという波乗りが好きでやっています。波乗りで一番の基本となるのは、ショートボードなども含めて、「ボトムターン」という技術です。波の一番上(トップ)から一気に下(ボトム)に滑り降りて右または左にターンをする。ただ、それだけのことですが、これが一番奥深くて、プロのボディボーダーやサーファーたちでさえも、「ボトムターンさえうまくいけば、自分好みのマニューバ(サーフボードが進む時にできる軌跡=きせき)を描くことができる」といいます。このボトムターンをマスターするのに、何回も何十回も波に揉まれながら練習をしました。最初の3日ぐらいは失敗ばかりなのに、4日目にして突然できるようになった時、インストラクターの方から「ついに体で覚えられましたね」と褒められました。「理屈」ではなくて「体で覚える」のは洋楽をネイティブ並みの発音とリズムで覚えるのにも当てはまると思うのです。
 こうやって例えば、1週間に1曲ずつマスターすれば、1年で52曲のレパートリーが増えることになり、友人たちとカラオケに行った時、洋楽をスラスラと歌うと周りが仰天するものです。私も、仲のいい友人が帰省してきた時によくカラオケに一緒行くのですが、Taylor SwiftのShake it Offを間違えずに歌い切った時、「どやっ!」とドヤ顔で友人に胸を張ったものでした。歌える洋楽が増えると、自信が付きます。
 その際、お勧めしたいのは最新のヒットチャートのベスト10に入っているような曲を選ぶのが洋楽を覚えるうえで大きなモチベーションになるでしょう。やはり、流行りの曲を英語で歌えるという優越感は何事にも変え難いからです。
 ただ、コロナ禍の中、各地で緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発出されている現在は、カラオケ店も営業停止に追い込まれているので、大変残念でなりません。こういう時こそ、来るべき日のために自宅でYouTubeを見ながらでも洋楽の練習に励んでみるのも、ストレス発散になっていいかもしれません。声を出すだけで、本当に気分がいいものです。
 さて、今回は洋楽を聞いて英語を勉強してみましょう、と提案させていただきました。TOEICの点数に直接反映しなかったとしても、英語がもっと好きになる方法の一つが音楽などのエンターテイメントだと思うからです。
 次回は、映画とドラマで英語をどう勉強するかについて触れたいと思います。
To be continued.