TOEIC485点から830点までの道のり―Part4・・・もがき苦しむ700点台

 さて、前回はTOEIC700点越えの道のりを述べさせていただきました。こうなると次は800点を狙いたくなります。実際、そのつもりで勉強を続けました。
 しかし、私は700点台で壁にぶつかりました。TOEICを受験されている方はご存じかと思いますが、試験は2月と8月以外は毎月開催されています(受験地が限定される月もありますが)。なので、2019年3月に730点を取って以降も8月以外は全部試験を受けました(ちなみに今年は8月もあります)。
 4月から6月までの3か月は730点前後をうろうろしました。どうしたものか?公式問題集を解いても同程度の点数しか出せません。どうすればいいのだろうと考えたとき、以前も書きましたが、読んでも意味が分からない英文は聞き取れない。また、リーディン部門の英語がどうしても早く読めない。ならば、徹底的に英文読解力をつけようと考えたのです。そこでいつものように書店に出向き、英文解釈の参考書を探しました。
 候補は2つ。1つは今は亡き受験英語の神様と称された元駿台予備校講師・伊藤和夫先生の『英文解釈教室(新装版)』(研究社)と、もう1つは、これまた受験英語の不朽の名作とされる「原の英標』こと『英文標準問題精講-新装5訂版
』(原仙作著・中原道喜補訂/旺文社)の2冊です。両書とも受験生時代にお世話になった方も少なくないのではないでしょうか。
 かくいう私もその一人で、前者の『英文解釈教室』の初版本を1984年の高校3年生時に購読して勉強しました。当時は文法と構文の学習を終えた後だったので、スムーズに学習が進みました。そして読解力が一歩も二歩も伸びたことを覚えています。
 後者の『英文標準問題精講』は、浪人生の頃に予備校のテキスト以外にも読解量を増やそうと取り組んだ懐かしい一冊です。この本は初版が1933年という恐ろしい名著であります。この本のおかげで浪人生時代、河合塾全統模試で英語の偏差値が79まで伸びることができた思い入れのある
一冊でもあります。

 

 さて、どちらをやり直そうかと考えながら2つを読み比べてみると、なんとなく『英文標準問題精講』を挑戦したくなりました。『英文解釈教室』は新装版になってから、少し私好みの本ではないような気がしたからです。受験生時代の成功体験からすると『英標』の方がいいだろうと考え、購入しました。
 この参考書は、練習問題が合計220問あります。著者はこれを30日で修了するようにと指示してますが、さすがにそれはかなり厳しい。いや、無理といっていいでしょう。そこで私は3か月で修了することを目標に一日当たり2題から3題を和訳していきました。時間にして2時間程です。
 英文解釈とは別に、リスニング対策として4月からは、NHKラジオで杉田敏先生の「実践ビジネス英語」を聞き始めました。この番組は1987年にスタートしたNHK語学講座史上最長の長寿番組です。当初は「やさしいビジネス英語」との名称でしたが、全く「やさし」くなく、NHKの英語講座の中では一番レベルの高い番組でした。残念ながら、今年の3月をもって番組は終了しましたが、年に4回、季刊号として音声ダウンロード特典付きのテキストが販売されるようになりました。
 話がそれましたが、「実践ビジネス英語」は週三回の放送と三回分の再放送を土曜日に聞く態勢で学習を始めました。やり方としては、別売りのCDをヤフオク!やメルカリで安く買って、パソコン上のiTunesにデータを取り込んだ後、iPhoneに落とし込みました(ちなみに、このCDはすぐにメルカリに出品したらその日のうちに売れて大変お得な思いをしました)。そして、放送の前日に90秒ほどのヴィニェット(寸劇風の会話)を5回から7回ぐらい聞いて、その日の話題が何かをつかむ練習をしました。もちろん、テキストを見ないで。それからテキストを開き、本文を日本語訳を参照しながら読解していきます。
 NHKの英語講座では一番難しいので、本文を理解するのも大変です。実際のビジネスの現場で使われる表現が満載なため、当初は一日分の本文を理解するのに30分ほどかかることもありました。
 本文が理解できたら、次は、スマホに入っている音声を英文を見ながら、ネイティブがどこで息継ぎをするか、どこに強勢を置くか、上がり調子で読むのか、下がり調子で読むのか、などを
フリクションペンを使って✔印や波線を書き込んでいきました。そして、その✔印などを手掛かりに、音声を聞きながら同時に発音練習するというオーバーラッピングをやりました。
 これを4、5回やった後、音声なしで、音読を30分ほどやります。予習は合計でおよそ90分ほどかけました。そして、翌日の放送に臨むのです。すると、ゲストのネイティブスピーカーのヘザー・ハワードさんの英語がよく聞き取れたのです。ヘザーさんはすべて英語で本文に使われる単語や慣用句を説明するのですが、それらが殆ど聞き取れる。これは嬉しかったです。
 さて、長くなりました。次回は本日述べました英文解釈の勉強とリスニング対策がいかに効果が出たかを綴りたいと思います。

To be continued.