さて、今回は皆さんもご興味がおありだと思う「英単語の覚え方」について綴りたいと思います。
私は実は今年に入るまで英単語帳というものを買って英単語をシコシコ覚える作業をほとんどしてきませんでした。大学受験の際も、学校の教科書、参考書、または予備校の英文読解用テキストに出てきた単語を、文章ごと丸々暗記していたので、単語帳をやる暇がなかったことが一つの理由です。また、構文力と英文解釈力の強化に力を入れてきたおかげもあって、前後関係で単語の意味が推測できるようになっていたことも挙げられます。それでも、予備校の模試では偏差値79を弾き出せていたので、特にやる必要もなかったのかも知れません。
ただ唯一、シコシコと勉強したのは英熟語です。英熟語は、例えば、「make the most of〜」の場合、4つの単語はそれぞれ知っているけれど、「〜をthe mostに作る?」と、ピンと来ない訳文を思い描きがちです。これは4つの単語で「〜を最大限に活かす(利用する)」という意味になるということを知っていなければ、どんなに読解力があっても、訳出できません。なので、1970年代後半からベストセラーとなっていた故長崎玄弥先生の『奇跡の英熟語』(祥伝社・現在は絶版)をまるで舐めるかのように何度も何度も書いては忘れ、忘れては覚え、声に出して覚えたものです。
では、現在はどうしているか?私はTOEICで730点(2019年3月)を取ったときに、アルクの『キクタン』シリーズの『TOEIC TEST SCORE 990』と『英検1級』の2冊を書いました。とはいうものの、買っただけで勉強したつもりの「ツン読」になっていました。
ところが今年の4月のTOEICで2度目の830点を取ってからというものの、900点を目指すにはそれなりの英単熟語を意識的に覚えていないと難しいと思い至るようになりました。そこで、普通ならTOEICを毎月受験しているのであれば、『TOEIC TEST SCORE 990』を覚えるはずだと思われますが、たまたま書店で立ち読みした英検1級の試験問題を見たら、単語の知識を問う設問が独立して設けてある。それもかなり難しい。
英検1級について申し上げますと、大学生の時に2回ほど受験して2回とも見事に落ちてからというものの、受けていませんでした。その当時から語彙(ごい)問題が独立した設問として存在しており、全く歯が立たなかったことを覚えています。
私は、約30数年ぶりに見た英検1級の問題を見て、俄然、英検1級対策として英単熟語を勉強してやろう、という闘志が湧いてきました。そこで購入しておいたアルクの『キクタン』シリーズの『英検1級』を覚え始めました。
この『キクタン』シリーズに挑戦された方々は少なくないと思われます。1日当たり16語を70日間かけて合計1120語の英単熟語を覚えていくという体裁を取っています。Check1に見出し語と訳語が、Check2に見出し語を使ったフレーズが、Check3に見出し語を含む例文が用意されています。付属のCDには音声データとして、見出し語と訳語、それに続いてネイティブによってCheck3の例文が読まれます。
覚え方としては、私はせっかちな性格をしているので、70日間で完成させるという悠長なことはせず、半分の35日間で仕上げようと、1日あたり2日分、計32語を時間にして60分から90分かけてCheck3の英文だけをとにかく何度も音読することに努めました。といいますのも、単語帳を覚えようという熱意が強い時期というのは、そう長く続かないと判断したからでもあります。そしてCheck3の英文だけに絞ったのは、見出し語だけ覚えても、すぐに忘れるからであって、生きた英語として使うためには英文を丸々覚えた方が早いからです。
私は、音声データをiPhoneにPC経由で取り込み(アルクが提供する無料アプリを使えば、音声のダウンロードもできます)、とにかく外出移動中の時や料理をしている時、お風呂に入っている時(ジップロックに入れて濡れないようにして)など、机に向かっていない時には必ず片耳にイヤホンを付けて聞くようにしています。このスキマ時間の活用は馬鹿にできなくて、1日外出している時など、何度も同じ英文を聞くことがよくあります。データは単語編と英熟語編とに分かれているので、単語の勉強をしている時は単語編のデータをとにかく聞く。そしてネイティブに合わせて例文を声に出す。ただそれだけです。ここで注意したいのが、聞き流すだけに終わらないことです。
5月の連休明けから取り組んで、すでに通しで3回勉強しました。最初の1回目は確かになかなか頭に入りませんでしたが、2回目、3回目と回数を重ねるごとに、頭に蓄積されていくのが実感できました。例文もほとんど口ずさめます。
次は、これまた買っておいた『キクタン』シリーズの『TOEIC TEST SCORE 990』に取り組もうと思います。
最後に、この『キクタン』シリーズの取扱い方に関しては、私は1日2日分、32語を覚えていきましたが、人によっては1日分しか時間が取れないこともあるでしょう。あるいは3日分を消化できる猛者(もさ)もいらっしゃることでしょう。英単語を覚える上で一番大切なことは、やっぱり「コツコツと」覚えていくしかないので、ご自身のペースを優先することが成功の早道だと私は信じています。
〜本日の元気の出る英語〜
Although the world is full of suffering,
it is also full of the overcoming of it.
「世の中は苦しみで満ちています。でも、世の中はまた、その苦しみを克服する機会で満ち溢れているのです」
ーHelen Keller
ヘレン・ケラー(教育家・社会福祉事業家)
To be continued.