映画やドラマで英語力を楽しく養う方法

 

 

 

 前回は音楽で英語を学ぶ方法を私なりのやり方でご紹介しました。今回は、映画やドラマで楽しく英語力を養う方法を考えたいと思います。
 ズバリ言いますと、私はAmazonプライムで見て感動した映画、面白かった映画のDVDを「Amazon DVDコレクション」で購入して、英語を勉強しています。
 最近の例を挙げると、Anne Hatheway(アン・ハサウェイ)とアカデミー賞女優Meryl Streep(メリル・ストリープ)がダブル主演した人気映画『プラダを着た悪魔』を見て感銘し、Amazon DVDコレクションにて1000円と格安のDVDを購入しました。
 Amazonプライムでは(2021年9月現在)、洋画の字幕版において日本語字幕には設定できますが、英語字幕には設定できません。なので、映画を英語字幕付き、または字幕オフに設定して見るにはDVDまたはブルーレイディスクを購入するしかありません。
 しかしながら、この字幕設定機能は画期的です。かつてのVHSビデオの時代では考えられなかった機能だからです。DVDも、この映画が公開された2006年頃は数千円しました。それがたった1000円で買える時代になった訳ですから、英語の勉強もリーズナブルに可能となりました。
 勉強法は至って簡単です。私は映画をパソコンで見るようにしているので、DVDドライブにディスクを入れて、まずは字幕オフにして見ます。すでにAmazonプライムを見て内容を知っているので、どういう展開になるかは分かっています。
 問題は、登場する役者たち、とりわけ主人公がどういう英語を使っているかを、120%の注意力を持って聞き取る努力をします。ここで留意したいのは、大抵の映画は上映時間が120分前後あります。120分間、字幕なしで果たして最後まで見通せるかどうかです。私は、しばしば人間の集中力は長続きしないと申してきました。なので、最初から120分間通しで見るのではなく、30分見たら5分間のコーヒーブレイクをすることを心がけています。
 話が少しずれますが、この集中力については、プロの通訳士の方達も仕事をする上で大切な要素であることを指摘した文章を目にしたことがあります。確か、同時通訳士の鳥飼玖美子(とりかいくみこ)氏か放送通訳士の柴原智幸氏だったと記憶してます。
 例えば、アメリカで大統領が新しく選出されて就任演説を行うとき、その様子が生中継される際、必ず日本語の同時通訳がなされます。そういう場合、通訳士の方は大体15分から20分ぐらいで交代しています。これは、その15分から20分というのが集中力の続く限界だからだそうです。それ以上続けると、誤訳する可能性があると私が読んだ文章には記されていました。
 プロの通訳士ですらこうなのですから、DVDで字幕オフにして見る場合は、ご自身の集中力の続く時間を気に留めながら、休み休み見ることをお勧めします。そして見終わったら、次の日にでも、今度は英語字幕にして見てみます。すると、「あ、この場面ではアン・ハサウェイはこんな英語を話していたんだ」「メリル・ストリープがボソボソっと呟いた言葉はこれか!」などと発見することがたくさんあります。
 そして、気になった表現、聞き取れずにもやもや感があった英語のセリフを、DVDを中断させつつメモしていきます。この作業は結構大変ですが、全部をメモしようと思わず、気になった場面、表現だけに絞ってやってみるだけでも映画を2倍、3倍にも楽しめるものです。
 最後に映画で英語を勉強する上で気を付けたいことがあります。それは、映画の英語には多数のスラング(俗語=特定の社会や階層、または仲間だけに通じる言葉)が使われています。中には、そのまま知り合いのネイティブに使ったら、激怒させてしまう可能性のあるスラングさえあります。いわゆるfour letter wordなどです。四文字で構成されるある特定の単語などを映画で使っていたからと知らずに使ってしまうととても危険です。この点については、weblio英会話コラムに参考となる文章がありましたのでURLを貼り付けておきます。ご参考までに。

eikaiwa.weblio.jp

 映画で英語を学ぶことには気をつけるべきだということを早くから主張されていたのが、経済学者で「超」シリーズの著作で有名な野口悠紀雄氏です。野口先生には、私が20数年前に所属していた『月刊T』の編集者の頃、一度お会いしてお話を伺ったことがあります。当時から映画英語による学習法に疑問を呈しておられた先生ですが、近著『「超」英語独学法』(NHK出版新書)では、新しい考え方を開陳されています。是非、お手に取ってインターネット時代の英語学習法について勉強されてはいかがでしょう。

 

 


 さて、今回は映画で英語を学ぶ私なりのやり方を綴らせていただきました。ドラマに関しては、また別の機会にでも述べさせていただきます。最後に、「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ〜」「さいなら、さいなら、さいなら」。
To be continued.