BBCでイギリス英語のリスニングを特訓する!

 さて、前回は苦手なイギリス英語を聞き取れるようになるために、イギリスの公共放送BBCのラジオをスマホアプリを使って勉強を開始したことを綴りました。
 ここで注意していただきたいのは、イギリスと日本の時差の関係です。夏時間に関しては、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までの間、1時間時計の針が進みます。よって、日本が13時を迎えたら、イギリスでは早朝5時を迎えるとお考えになっていいでしょう。秋冬は、逆に1時間針を遅らせます。
 私は、午前中にBBCのニュースサイトのアプリでその日のニュース記事を1、2本目を通して13時から始まるWorld Serviceチャンネルの「Newsday」を聴く習慣を取り入れました。記事を1、2本しか読まないのか、とお叱りを受けそうですが、一本の記事を読んで理解するにも結構な時間がかかります。と言いますのも、しばしば世界を賑わす中東情勢を例に挙げると、イスラエルパレスチナがなぜ戦争を起こすのか、その背景となる歴史を知らないと記事はもちろん、Newsdayの放送もさっぱり理解できないからです。
 記事を読みながら、日本語と英語のWikipediaなどの情報サイトで大まかな知識を得ていく必要があるわけです。そうすると、どうしても私の現在の英語力では、1、2個の記事をよむのが限界なのです。とはいえ、1、2個の記事を読み込んで予備知識を頭に叩き込んでおいた上で、放送に臨んだ時と何も準備しないでいきなり放送を聞くのとでは雲泥の差が出ます。
 まず、ニュースで扱われている人名や地名などの固有名詞を活字で確認しておくことで、「誰が(who)、いつ(when)
、どこで(where)、何を(what)、なぜ(why)、どうやって(how)事件を起こしたのか、あるいは起きたのかをラジオの生放送で聞き取れるようになるのです(いわゆる5W1Hの確認)。ここで気をつけたいのが、固有名詞の発音です。外国人の名前や外国の知らない土地の名前は、1回や2回聞いただけでは聞き取れません。それは何故かというと、自分で発音できない単語は聞き取れないという言語習得上の大きなルールによるものです。
 さて、少し話はそれますが、私はNewsdayのキャスター(イギリスではpresenterというようです)のClare Macdonnell(クレア・マクドナル)さんのファンであります。主に月・火・水曜日を相棒のLawrence Pollard(ローレンス・ポラー)さんと担当されているのですが、最初にこの方の声を聞いた時は驚きました。「なんて色っぽくて知的な声なんだろう!」と。
 ところが、番組中に何度も「只今、クレア・マクドナルとローレンス・ポラーがお伝えしています」といった趣旨のフレーズを英語でおっしゃるのですが、最初の2ヶ月ぐらいはクレアさんの名前が全く聞き取れませんでした。「
ほにゃらら・ほにゃらら and ローレンス・ポラー・・・・・・」とだけしか聞き取れない。そのうち、「ほにゃらら・マッダーノ」と聞こえるようになり、3ヶ月目ぐらいにようやく「クレア〜・マッダーノ」と聞き取れるようになったのです。
 イギリス英語を勉強されている方はご存知かと思いますが、イギリスとフランスは歴史上、何度も戦争を繰り返し、その度にどちらかがどちらかの領土の一部を征服、統治するということが行われました。そのためでしょうか、英語の発音の仕方にフランス語と似ている部分があるように思われるのです。前述のクレア・マックドナルさんのクレア(Clare)のare(エア)の部分がフランス語でいう鼻母音、つまり鼻に抜ける音で発音されているのです。これがアメリカ英語ならrの音が入り明確になるのですが、rの巻舌音は出ずに鼻に抜ける。それが聞き取れない最大の理由だったのではないかと自己分析しました。
 クレア・マックドナルさんは私と同じ1966年生まれの方で、非常に知的な話し方をされる美しい方です。名前が分かった時点ですぐにTwitterでクレアさんをフォローするようになりました。
 さて、ここで真昼間にBBCを聞ける方は私のような自由業に従事する人に限られてくるでしょう。そこで、一般のビジネスパーソンでもイギリス英語を聞くヒントとして、同じWorld Service チャンネルの19:06から19:30まで放送される「The newsroom」か同じ番組が21:06からも24分間放送されます。仕事帰りの電車の中でも聞ける時間帯なので、是非お勧め致します。その際、BBCのニュースアプリで2、3つほどの記事の最初の段落をさっと読んでおくとリスニングが楽になります。
ニュース記事というのは、最初の段落に前述した5W1Hが凝縮されているので、これだけでも頭に入れておくとリスニングの理解力に格段に違いが出ます。最後に、人間の集中力はそう長くは続きません。24分間全て聞き取ろうとしても、最初のうちはかなり大変です。最初の5分間だけ集中する習慣をつけるだけでも十分な進歩だと思います。
 次回もイギリス英語のリスニング奮闘記を続けたいと思います。
To be continued.