YouTubeでアメリカのテレビニュースを見てリスニングを鍛える

 さて、前回は映画を見て英語を学ぶ私なりのやり方を綴らせていただきました。今回は再び、私が一番興味のあるニュースで英語を勉強する私なりの工夫を記させていただきます。
 8月27日(金)に投稿した「コロナ禍の真っ只中で英語を学ぶモチベーションの保ち方」において、私は昨年のアメリカ大統領選挙後の混乱を見て、急速にアメリカ政治が面白くなってきたと述べました。

 

learning-english-from-the-age-of-50.com

 

そのため、私はアメリカ三大ネットワークの一つ、ABCのLive配信を見ることにし、扱われるトピックを予習するつもりでNew York Timesの電子版を購読して記事を読むようになりました。
 とはいえ、New York Timesの記事を一つ読むにしても、A4用紙で8ページ前後の分量があります。これを辞書を引きつつ読み切るには2時間ぐらいかかりました。それからABCのHPでライブ配信を見るのですが、NYTで予習したトピックについてはほとんど分かるようになりました。
 ただ、約1ヶ月ほどNYTとABC Liveの2つを中心に英語を勉強していたのですが、ABCは民放放送のため、頻繁にCMが入ります。これがどうにも我慢ならなくて、私は他に手段はないものかと考えました。「そういえば日本のNHKはCMが入らないな。アメリカでNHKに相当する公共放送ってなんだろう?」と素朴な疑問を抱き調べたところ、PBS(Public Broadcasting Service)がそれに当たることを知り及びました。

www.pbs.org


 早速、PBSのHPに目を通してみると、NHKの「ニュース7」(19:00〜)に相当する「PBS News Hour」のビデオポッドキャストが存在することに気付きました。これは米国東部夏時間で17:00(日本時間6:00)に放送されたものをCMを極力省いて編集されたものです(アメリカでは公共放送でもCMが入ることには驚きました)。
 この「PBS News Hour」がABCと決定的に違うのは、一つのトピックをしっかりと掘り下げて報道するところです。correspondentと称される記者たち、例えば、White house correspondent(ホワイトハウス担当記者)、National correspondent(国内問題担当記者)、Foreign affair correspondent(国際問題担当記者)などが、トピックに関連する専門家や政治家にインタビューし、多角的な視点を提供します。そのため、一つのニュースが比較的長く、場合によっては10分以上時間を割く点がABCやCBSNBCのLive配信とは一線を画しています。60分の番組で一つのニュースに10分も掛けているので、1日に5、6本のニュースしか扱われません。
 私はこの番組を、英語を勉強する上での中心的存在と位置付け、New York Timesと連係させて学習することを心がけるようになりました。といいますのも、例えば、ここ最近の話題をさらったのは、2001年9月11日に発生したアメリ同時多発テロから20年が経った今年の9月11日の記念日に向けて、アメリカ政府がどういう政策を取ってきたかということを、New York    Timesの記事を毎日読んでいたら、PBS News Hourで関連のニュースが放送された際、ほとんど理解できるようになってきたからです。
 とはいえ、理解できるニュースはNYTで予習したものに限られ、それ以外はかなり苦戦しながら見ています。大体、NYTで大きく扱われたトピックはPBS News Hourでもトップニュースになるので、最初の10分間は集中してリスニングすることになります。
 ところで、PBS News Hour
はHPでもビデオポッドキャストとして見られますが、YouTubeでも視聴可能です。YouTubeだと、ライブ配信を見ることができますので、朝、時間が取れる方はライブでご覧になるのもいいかもしれません。


www.youtube.com

 ただ、数時間後にYouTubeでもビデオポッドキャストとして編集されたものがアップされて、英語字幕に設定して視聴することができるので、アンカー(anchor)のJudy Woodruff(ジュディ・ウッドゥルフ)さんやその他のcorrespondentの方々が話している英語を確認したいと思われる方は、そちらを選択されることをお勧めします。
 ちなみに、アンカーのJudy Woodruffさんは、今年75歳を迎えられる大ベテランです。日本のテレビ業界のように新卒またはそれと変わらないほど経験もスキルもないアナウンサーをキャスターに据え置くということはジャーナリズム大国アメリカの放送業界ではありえないようです。
 私個人としては、太平洋時間(pacific time)に放送されるPBS News Hour west のアンカーを務め、national correspondentも兼ねるStephanie Sy(ステファニー・サイ)さんの大ファンです。知的でとても美しい方です。
 さて、今回はアメリカのテレビニュースを見てリスニングを鍛える私なりの工夫を綴りました。少しでも参考になれば幸いです。
To be continued.

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映画やドラマで英語力を楽しく養う方法

 

 

 

 前回は音楽で英語を学ぶ方法を私なりのやり方でご紹介しました。今回は、映画やドラマで楽しく英語力を養う方法を考えたいと思います。
 ズバリ言いますと、私はAmazonプライムで見て感動した映画、面白かった映画のDVDを「Amazon DVDコレクション」で購入して、英語を勉強しています。
 最近の例を挙げると、Anne Hatheway(アン・ハサウェイ)とアカデミー賞女優Meryl Streep(メリル・ストリープ)がダブル主演した人気映画『プラダを着た悪魔』を見て感銘し、Amazon DVDコレクションにて1000円と格安のDVDを購入しました。
 Amazonプライムでは(2021年9月現在)、洋画の字幕版において日本語字幕には設定できますが、英語字幕には設定できません。なので、映画を英語字幕付き、または字幕オフに設定して見るにはDVDまたはブルーレイディスクを購入するしかありません。
 しかしながら、この字幕設定機能は画期的です。かつてのVHSビデオの時代では考えられなかった機能だからです。DVDも、この映画が公開された2006年頃は数千円しました。それがたった1000円で買える時代になった訳ですから、英語の勉強もリーズナブルに可能となりました。
 勉強法は至って簡単です。私は映画をパソコンで見るようにしているので、DVDドライブにディスクを入れて、まずは字幕オフにして見ます。すでにAmazonプライムを見て内容を知っているので、どういう展開になるかは分かっています。
 問題は、登場する役者たち、とりわけ主人公がどういう英語を使っているかを、120%の注意力を持って聞き取る努力をします。ここで留意したいのは、大抵の映画は上映時間が120分前後あります。120分間、字幕なしで果たして最後まで見通せるかどうかです。私は、しばしば人間の集中力は長続きしないと申してきました。なので、最初から120分間通しで見るのではなく、30分見たら5分間のコーヒーブレイクをすることを心がけています。
 話が少しずれますが、この集中力については、プロの通訳士の方達も仕事をする上で大切な要素であることを指摘した文章を目にしたことがあります。確か、同時通訳士の鳥飼玖美子(とりかいくみこ)氏か放送通訳士の柴原智幸氏だったと記憶してます。
 例えば、アメリカで大統領が新しく選出されて就任演説を行うとき、その様子が生中継される際、必ず日本語の同時通訳がなされます。そういう場合、通訳士の方は大体15分から20分ぐらいで交代しています。これは、その15分から20分というのが集中力の続く限界だからだそうです。それ以上続けると、誤訳する可能性があると私が読んだ文章には記されていました。
 プロの通訳士ですらこうなのですから、DVDで字幕オフにして見る場合は、ご自身の集中力の続く時間を気に留めながら、休み休み見ることをお勧めします。そして見終わったら、次の日にでも、今度は英語字幕にして見てみます。すると、「あ、この場面ではアン・ハサウェイはこんな英語を話していたんだ」「メリル・ストリープがボソボソっと呟いた言葉はこれか!」などと発見することがたくさんあります。
 そして、気になった表現、聞き取れずにもやもや感があった英語のセリフを、DVDを中断させつつメモしていきます。この作業は結構大変ですが、全部をメモしようと思わず、気になった場面、表現だけに絞ってやってみるだけでも映画を2倍、3倍にも楽しめるものです。
 最後に映画で英語を勉強する上で気を付けたいことがあります。それは、映画の英語には多数のスラング(俗語=特定の社会や階層、または仲間だけに通じる言葉)が使われています。中には、そのまま知り合いのネイティブに使ったら、激怒させてしまう可能性のあるスラングさえあります。いわゆるfour letter wordなどです。四文字で構成されるある特定の単語などを映画で使っていたからと知らずに使ってしまうととても危険です。この点については、weblio英会話コラムに参考となる文章がありましたのでURLを貼り付けておきます。ご参考までに。

eikaiwa.weblio.jp

 映画で英語を学ぶことには気をつけるべきだということを早くから主張されていたのが、経済学者で「超」シリーズの著作で有名な野口悠紀雄氏です。野口先生には、私が20数年前に所属していた『月刊T』の編集者の頃、一度お会いしてお話を伺ったことがあります。当時から映画英語による学習法に疑問を呈しておられた先生ですが、近著『「超」英語独学法』(NHK出版新書)では、新しい考え方を開陳されています。是非、お手に取ってインターネット時代の英語学習法について勉強されてはいかがでしょう。

 

 


 さて、今回は映画で英語を学ぶ私なりのやり方を綴らせていただきました。ドラマに関しては、また別の機会にでも述べさせていただきます。最後に、「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ〜」「さいなら、さいなら、さいなら」。
To be continued.

 

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たまにはニュース英語だけでなく、映画やドラマ、音楽で英語を勉強しよう

 前回は、コロナ禍の真っ只中で自粛生活という窮屈な日常を送る上で、私なりの英語学習のモチベーションの保ち方を綴りました。それは面白くなってきたアメリカ政治のニュースを追いかけるというものでした。
 今回もアメリカ政治を追いながらどうやって英語学習に奮闘したかを述べるつもりでしたが、ちょっと趣向を変えて、映画やドラマ、音楽などのエンターテイメントで英語を勉強する際の私なりの工夫を記させていただきます。
 例えば、音楽で英語を勉強する際、YouTubeで見つけた好きな音楽のプロモーション・ビデオ(PV)を何回も見ます。私個人として好きな歌手は、Madona、Maroon5Coldplay、Clean Banditなどです。これらアーティストのアルバムをレンタルして、iPhoneにデータを入れるか、ネットで
アルバムを購入してダウンロードするかどちらかの手段でiPhoneに保存しておきながら、料理をしている時などに何度も同じ曲を聞いてサビの部分を不正確ながらも口ずさめるようになったら、ネットで歌詞(lyrics=よくリリックという人がいますが、この単語は必ず複数形で使いますのでネイティブと話すときはご注意を)を確認します。
 すると、「あ!こんな表現を使っていたんだ。この表現はこんな風に発音するんだな」などと発見することが頻繁にあります。
 歌詞を見ながら音楽を聴き、シャドーイングするといい発音練習になって、実際にネイティブと話をするときにとても役立ちます。その際、聞こえる通り発音することがコツだと思います。言葉というものは音が最初であって、文字はそれを便宜的に記録するためのただの「記号」に過ぎないからです。
 また、
何回聴いても発音できない単語やフレーズが必ず一つや二つあるものです。その時は、あまり気にせず、翌日また聴いてみましょう。すると昨日発音できなかった部分が今日は発音できるぞ!と驚くことをしばしば経験するものです。舌が回り、いかにもネイティブみたいな発音ができるようになります。いわゆる「体で覚えてしまった状態」だと私は考えています。
 この「体で覚えてしまった状態」については、スポーツ系の部活動や趣味を経験してきた人ほど、ご理解いただけるのではないでしょうか。例えば、野球をやっていた人、特にピッチャー経験者は何回も何回もキャッチャーを相手に投げ込みをします。昨日まで外角低めにストレートをうまく投げられなかったのが、今日はビシリと決まる。あるいは、カーブがストライクゾーンに入るようになったという経験をするものです。テニス経験者であれば、昨日まで決められなかったライン際のサーブが今日はバッチリと打ち込める。
 私の例を挙げさせていただくと、私はボディボードという波乗りが好きでやっています。波乗りで一番の基本となるのは、ショートボードなども含めて、「ボトムターン」という技術です。波の一番上(トップ)から一気に下(ボトム)に滑り降りて右または左にターンをする。ただ、それだけのことですが、これが一番奥深くて、プロのボディボーダーやサーファーたちでさえも、「ボトムターンさえうまくいけば、自分好みのマニューバ(サーフボードが進む時にできる軌跡=きせき)を描くことができる」といいます。このボトムターンをマスターするのに、何回も何十回も波に揉まれながら練習をしました。最初の3日ぐらいは失敗ばかりなのに、4日目にして突然できるようになった時、インストラクターの方から「ついに体で覚えられましたね」と褒められました。「理屈」ではなくて「体で覚える」のは洋楽をネイティブ並みの発音とリズムで覚えるのにも当てはまると思うのです。
 こうやって例えば、1週間に1曲ずつマスターすれば、1年で52曲のレパートリーが増えることになり、友人たちとカラオケに行った時、洋楽をスラスラと歌うと周りが仰天するものです。私も、仲のいい友人が帰省してきた時によくカラオケに一緒行くのですが、Taylor SwiftのShake it Offを間違えずに歌い切った時、「どやっ!」とドヤ顔で友人に胸を張ったものでした。歌える洋楽が増えると、自信が付きます。
 その際、お勧めしたいのは最新のヒットチャートのベスト10に入っているような曲を選ぶのが洋楽を覚えるうえで大きなモチベーションになるでしょう。やはり、流行りの曲を英語で歌えるという優越感は何事にも変え難いからです。
 ただ、コロナ禍の中、各地で緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発出されている現在は、カラオケ店も営業停止に追い込まれているので、大変残念でなりません。こういう時こそ、来るべき日のために自宅でYouTubeを見ながらでも洋楽の練習に励んでみるのも、ストレス発散になっていいかもしれません。声を出すだけで、本当に気分がいいものです。
 さて、今回は洋楽を聞いて英語を勉強してみましょう、と提案させていただきました。TOEICの点数に直接反映しなかったとしても、英語がもっと好きになる方法の一つが音楽などのエンターテイメントだと思うからです。
 次回は、映画とドラマで英語をどう勉強するかについて触れたいと思います。
To be continued.


 

コロナ禍の真っ只中で英語を学ぶモチベーションの保ち方

 さて、前回までは英語ニュースを聞く上で試している私の英語勉強法を綴ってきました。今回は2020年9月に再開されたTOEICについて記したいと思います。
 昨年は新型コロナウイルスの流行がはじまってからというもの、1月の試験を最後に3〜7月のTOEICは中止になりました。緊急事態宣言の発出もあったせいでしょうか、コロナ流行の第一波が少し落ち着いたこともあって、TOEICを主催するIiBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)は、9月に試験の再開する旨を発表しました。申し込み日の7月8日(水)は、申し込み開始時間の10:00にIiBCのサイトにアクセスしましたが、全国の受験者が一斉にアクセスしたせいでしょう、なかなかログインできませんでした。
 しかしながら、1時間半ほど粘ってアクセスを続け、なんとか申し込みができました。
 さて、9月13日(日)に行われたTOEIC。最初に成績を述べますと、750点!1月に830点をスコアしたのに、80点も下がってしまいました。これには参りました。
 なぜこんなにも下がってしまったのか。自分なりに考えたのですが、理由が分かりませんでした。試験が中止になっていた期間は、BBCのニュースアプリで記事を読み、午後からBBC Soundsアプリで「Newsday」や「5 Live Breakfast」を1時間みっちりと聞いていたにもかかわらず、この有様。
 10月の試験からはみなさんご存知のように抽選制となり、残念ながら抽選に漏れ受験できませんでした。幸い11月の試験は当選したので受験できたのですが、これがまさかの745点と更に下がってしまいました。
 なぜだろう?原因があるはずです。しかし、その原因・理由をよく考えないまま、私は自分の関心のあるやり方で英語を勉強し続けました。すなわち、ニュース英語を読み、アプリでニュースを聞くやり方です。
 一方で、2019年4月から始めていたNHKラジオ「実践ビジネス英語」もその一つでした。この講座は水・木・金の週3回(1日あたり3回)放送されていました。私は以前にもこのブログで記した通り、前日に約1時間から1時間半かけて予習をして朝9:15の放送に臨みました。やり方は、番組のCDをメルカリで安く購入し、パソコンにデータを取り込み、更にiPhoneに同期させて音声データを入れる(CDはこれまたすぐにメルカリで売りました)。そして翌日の番組で扱われるヴィニェット(ネイティブによる寸劇)をテキストを見ないで4、5回聴く。それからテキストを読んで内容を理解した上で、更にヴィニェットに合わせながら、ネイティブの発音を真似するオーバラッピングをして、イントネーションやアクセントを置く位置の確認しました。音声を止めた後も、納得の行くまで音読しました。
 2020年の年末からは、それまでBBC Newsアプリを使ってUKの記事を読んだ後に、BBC Soundsアプリの第5チャンネル「5 Live Breakfast」を1時間聞くスタイルを思い切って変えました。
 といいますのも、2020年のアメリカ大統領選挙が11月に行われ、民主党ジョー・バイデン(Joe Biden)が当選したことを受け、現職のトランプ大統領が「The election was stolen!(選挙が盗まれた!)」と主張し敗北を認めようとしなかったことで、一気にアメリカ政治が面白くなったからです。
 ここで私は、アメリカのテレビ局の番組をPCで見られないだろうかと考え、アメリカ3大ネットワークのABC、CBSNBCのホームページをチェックしました。すると、各局ともニュースをLive配信をしているではありませんか!4、5年前にもチェックしたことがあったのですが、その頃は私の記憶が正しければ、3局ともLive配信はすれども、海外の居住者には見ることができなかったはずなのです。それができる!
 これは面白い時代になったと思い、3局のうち特にABCのLive配信を見るのに夢中になりました。とはいえ、とにかくアンカー(anchor=日本ではキャスターといいますね)やレポーターの話すアメリカ英語が速すぎるのです。何をいっているのかさっぱり分からない。NHKラジオ「実践ビジネス英語」を聴いてアメリカ英語を勉強しているはずなのに全く理解できないのです。
 「これはいかん!」と思った私は、アメリカのニュースを事前に活字で情報として仕入れておいて、予習をしよう。BBC Soundsでラジオを聴いていた時のように、アメリカ事情を勉強しようと考えたのです。そこで購読(subscription=サブスクリプション)を始めたのが、アメリカのメディアを代表する高級紙The New York Timesの電子版です。購読料は初年度はサービス価格として、4週間で2ドル。つまり、日本円で250円弱と格安でした。
 NYTの記事を読む上でしたことは、興味のある記事をコピーして、ワードにペースト(貼付け)たことです。一つの記事をそのままプリントアウトしようとすると、広告画像まで入れてA4用紙で10ページをゆうに超えます。広告を印刷しないために、ちょっと手間がかかりますが、テキストだけコピーしてワードにペーストすると8ページ前後で収まります。この8ページ前後の記事を丁寧に辞書を引きながら読んでいくのです。
 この作業をしているときに気づいたのが、TOEICで700点前後をうろついていた頃よりも、はるかに楽に読めるようになっていたことです。その理由を考えると、まず、BBC News アプリで記事を読む習慣がついていたこと、次に「実践ビジネス英語」で出てくる表現がNYTの記事に頻繁に出てくることに気付いたのです。
 そして最後に、自分が興味のあるやり方、例えば私の場合、ニュース英語に興味があるので、徹底してニュース英語を勉強してきたことが次第に実力としてついてきたと思われるのです。2020年はTOEICこそ成績は伸びなかったものの、厳しい自粛生活を強いられた一年を、ニュース英語を追いかけることで英語学習のモチベーションを保つことができました。
 さて、長くなりました。次回は面白くなってきたアメリカ政治をどうやって追いかけていったかを更に詳述したいと思います。
To be continued.
 

 

 

 

英語ニュースを理解するために必要なこと

 さて、前回はイギリス英語のリスニングを進めるにつれて、私のイギリス熱が加速したことで、BBC Soundsアプリの第5チャンネル「5Live Breakfast」を聴き始めたことを取り上げました。
 この番組はイギリス国内向けのラジオなので、イギリスのことを知らないと全く分らないと述べました。そこで予めBBCのホームページからUKに関するニュース2、3つ、とりわけその日のテーマとなるであろうトピックを約2時間ほどかけて読み込んで、放送に備えました。最初のうちは日本時間14時(イギリスでは夏時間の朝6時)から17時まで丸々3時間聞いていました。
 しかし、以前にも書きましたが、人間の集中力はそう長くは続きません。そこで、World Serviceチャンネルの「Newsday」の時のように、最初の1時間だけに集中して聴こうと決めました。最初の1時間だけでも、30分もすると疲れてきます。とはいえ、約2時間かけて予習しただけあって、何がその日のテーマであり、プレゼンターのNicky CambellさんとRachel Burdenさんがリスナーとどんなやり取りをしているかを少しずつですが、理解できるようになってきました。
 特に、私は同じ男性であるNickyさんの口ぶり、話し方、アクセント、イントネーションに注意して、影のようについて話すシャドーウィングに努めました。そして、お2人のTwitterをフォローするようにして、お2人のツイートも毎日確認することを習慣としました。
  また、会話の中によく出てくる単語を書き取って(急いでカタカナでメモしておきます)、1時間のリスニングの後に、そのつづりと意味を調べることに努めました。頻繁に出てきた単語には、例えば、NHS(National Health Swervice=国民保険サービス)がありました。イギリスの国営医療サービス事業のことを指し、利用者の健康リスクや経済的支払い能力に関わらず、臨床的必要性に応じて利用可能であり、自己負担額は無料か極めて少額である制度です(Wikipedia参照)。これは日本の国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)に相当するものです。
 2020年3月26日(木)には、夜8時にイギリス全土の人たちが、このNHSで働く人々など医療・介護従事者に対する感謝を送る「Clap for carers(医療・介護従事者に拍手を)」というキャンペーンが行われ、翌日の「5 Live Breakfast」でも、拍手とともに歓声や指笛を鳴らす人たちの様子が伝えられました。下記URLはそのことを報じたBBC日本語版の記事です。

https://www.bbc.com/japanese/52058906

 

 この頃、同時によく耳にしたのが、key workerという単語です。これは、医療・介護従事者や必要物資を販売する店舗の従業員、また物流に関わる人々など生活していく上で必要なサービスを提供する仕事に携わる人たちを指した言葉です。これはイギリス英語で使われますが、アメリカではessential worker(エッセンシャル・ワーカー)と表現します。ちなみに日本ではアメリカ英語版を使いますね。
 また、イギリスの高校生たちが大学入学に必要とされるAレベル(A-Level=一般教育修了上級レベル)の認定試験が、各地でロックダウン下にある現状で実施されるのか否かが問題となった時、私は大学生時代に読んで感銘を受けた故森嶋道夫(もりしまみちお)先生(当時ロンドン大学教授)の『イギリスと日本』(岩波新書)をAmazonで取り寄せ、イギリスの教育制度を詳説している本書を30数年ぶりに目を通しました。この本は本来2部作なのですが、絶版となっているため、Amazonでは第一巻のみ手に入ります(ただ、定価の倍以上しますが)。メルカリでは何点か出品されています(8月19日現在)。この本を読み返して思い知らされたのは、イギリスのニュースを聞き取るには、ニュース記事という表面的かつ一時的な内容だけでは理解ができないな、と痛感したことです。
 ニュースを理解するには、その国の国情を解説した書籍を最低でも一冊は読んでおくべきだということを学びました。その意味で私が最近注目しているイギリス関連の著者はブレイディみかこさんです。イギリスで保育士として働きながらも、イギリスが抱える国内の諸矛盾、社会的課題を鋭い視点で抉(えぐ)り出しています。私は、購読している新聞に定期的に寄せられるコラムでこの方を知り、ファンとなりました。
 さて、最後にここで私が提案したいことがあります。それは、イギリス英語にしろ、アメリカ英語にしろ、英語力を高めるためには、何かしらの番組とその中で出演するプレゼンターやジャーナリストの「ファン」になることが、勉強の動機付けとなり、継続の秘訣ではないかということです。
 好きな人の活躍を追い続けるのは、韓流スターを追いかけるファンの心理と相通ずると思うのです。ですから、このインターネット時代という素晴らしい時代を生きる上で享受できるメリット。すなわち、瞬時に世界中の有名人の情報を得られ、その人とTwitterFacebookInstagramなどのソーシャルメディア(social media)でつながるメリットをフルに活用してみてはいかがでしょう(英語ではSNSとはいわず、ソーシャルメディアといいます)。是非、お勧めいたします。
 長くなりました。次回からは、2020年9月に再開されたTOEICとの格闘記を再び綴りたいと思います。

To be continued.